ヒトの体内で白血球が細菌を殺す際に活躍する次亜塩素酸。驚くことに、人間の自然治癒力としてヒトの身体に備わっているものです。

 

次亜塩素酸水は歯科治療にも使用されている

最新の歯科治療現場では次亜塩素酸水を使用し、治療を行っています。

例えば、歯茎の炎症や腫れ、出血などの症状を引き起こす歯周病。歯周病は細菌をまとめることでネバつきの原因になるバイオフィルム、またはプラークとも呼ばれる歯周病菌によって症状が引き起こされます。バイオフィルムは口腔内にバリアを張り巡らせることができるため、抗菌剤やうがい、歯磨き、デンタルリンス等では簡単に壊すことができません。
そこで次亜塩素酸水を使用することでバイオフィルムを剥がし、歯周病菌の細胞形成に大きな役割を果たしているタンパク質を破壊し、歯周病菌自体を殺菌していきます。他にも他人に不快を与えていないか不安を感じる口臭も、軽いものから重度のものまでありますが、口臭には食べ物やタバコ、アルコールなど口に直接入れるものが原因となる生理的口臭や、虫歯・歯周病など細菌感染が原因のもの、さらには胃腸や気管支といった内臓の疾患が原因となるものがあります。
その様々な原因の中でも、次亜塩素酸水はとくに生理的口臭、細菌感染による口臭に有効です。


歯科大学でも効果が注目されている

東京医科歯科大学大学院らの研究チームによりますと、次亜塩素酸水の濃度が濃くなる程バイオフィルムの剥がれる速度が速くなる事を突き止めています。
さらに東京医科歯科大学 この治療法は、現在歯を削って治療を行う事が多い歯科治療分野において、今後更に次亜塩素酸水の歯科治療における活用の研究が進み、歯を削らない治療法の広がりが予測されます。

 

安全性の高い次亜塩素酸水

先にも述べましたが、どの程度の濃度、量が白血球から作られているのかは定かではないものの、元々ヒトの体の中に備わっている次亜塩素酸は安全性が証明されている事から人体やペットにも使用されています。
しかし、医薬品として認められたものではないほか、有機物に触れる事ですぐに反応し、水に戻ってしまう性質も持ち合わせています。また次亜塩素酸水は口腔内の菌を一旦減らす役割は担っていますが、どうしてもその後細菌はまた徐々に増えていってしまいます。口腔内を清潔に保つためには、歯磨きやデンタルリンスでのうがい、デンタルフロスの使用など、日常的なケアは怠らないことが大切です。
 

まとめ

歯科治療で使用されている次亜塩素酸水は微酸性次亜塩素酸水を使用しての治療となります。濃度の強い次亜塩素酸水を長時間使用することで歯のエナメル質を溶かす恐れが指摘されているためです。かかりつけの歯科医院で次亜塩素酸水を使用している場合、医師に確認をしてみるといいでしょう。

次亜塩素酸水による最新歯科治療

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